『アドベントカレンダー』 作:コンチャイ(こんちゃん・ゴルチャイ) 約3分
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お題「12月」
登場人物:配布のバイト、通行人
場所設定:商店街
「カレンダー配布」「アドベントカレンダー」「福袋予約」
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こんのコメント:
3題噺ツールを使ってでてきたキーワードで作りました。
約2分半の短編コントで、舞台設定は「街角の配布イベント」、登場人物は「アドベントカレンダーを無料配布するスタッフ」と「それを異様に欲しがる客」。日常の光景ながら、やり取りがどんどん逸脱していきながらも、日常で起こりうることにこだわって構成しました。現実的な導入からありそうな非現実の展開へと徐々にずれていく妙を目指しました。
良い点。
「無料配布」という誰もが経験するシチュエーションをベースにしながら、顧客側の“欲しがり”がどんどん理不尽な理由(ヤギが紙を食べる・転売目的など)ゴルチャイさんが創作してくださいました。はじめの軽いやり取りがエスカレートし、ゴルチャイさんのボケに対して、こんのが「動物愛護」や「転売」と常識的なツッコミで、ありそうのフレームを確保。「そんな奴いねぇよ」をギリギリ、リアルに落とし込み、芝居の中に不条理さが積み重なっています。特に「ヤギが紙を食べるからアドベントカレンダーをくれ」という理屈が、このコントの最初の変化として有効でした。意味不明なのに妙に説得力を持つ点はセンスを感じます。
展開について。
前半の「配布説明〜客の登場」→中盤の「ヤギエピソード〜押し問答」→後半の「転売の告白〜家族の話〜フェードアウト」という三段構成。展開の急転が多い割に、トーンが一定で“売り場の日常感”が保たれている点が上手くできたかなと。観客の戸惑いと笑いを並行して引き出すテンポを設計しました。
ツッコミについて。
スタッフ側の「なんでそんなに欲しいんですか?」という冷静なリアクションが、全体のツッコミ軸として機能しています。相手の暴走に引っ張られず、最後まで事務的な態度を貫くことで、作品全体の温度感が統一され、逆に不条理さが際立っています。今後は、間の使い方や“リアクションの小変化”を増やすとリズム感の豊かさが増すと思います。
技術面。
セリフのテンポと間がしっかりしており、短尺ながら緩急が感じられます。声量やテンションの差をもう少し明確にすると、さらに客の狂気が立ち上がるかもしれません。最後の「福袋にするんだ」という一言でふっとアドベンドカレンダー(12月24日で用済みになる)がどういうものなのか、わかっていない矛盾が、良い締めになったのではないでしょうか。
全体として、短尺でもストーリー性のある構造で、会話の上昇感と崩壊感がコンパクトに詰まったコントです。商店街での即興的な場面のようなリアリティがあり、独特の可笑しさと余韻を奏でています。今後このテンポ感を保ちながら、キャラクターの立ち位置をもう少し浮き彫りにすると、さらに厚みのある短編コントになると思います。
