外部出演 劇団820製作所ワークインプログレス公演「なぜけもののわかさはにがいのか」

外部出演 劇団820製作所ワークインプログレス公演「なぜけもののわかさはにがいのか」

2022-06-22

※アイキャッチの画像は、こんのが勝手につくったものであり、公式見解とは異なります。

追記:上演終了しました

ご来場、ご関心いただき、ありがとうございます。

1回限りの上演でした。3日の稽古期間で、さらに改訂追加された戯曲をほやほやの状態で見ていただきました。
作品に潜む、まだ見えていない物語へのアプローチが、今後の課題として露になり、作・演出の波田野さんへの期待が膨らむ声が大きかったと感じます。、8月の本公演でさらに進化するため、これから劇団820製作所さんはふたたび稽古場という名の巣に篭り、生成の時間に入られます。

わたくし、こんの、今回自身が役者として、舞台の上にちゃんといられたかを振り返っております。それぞれが、それぞれの方法で、試行錯誤して舞台の上で生きる時間をどうやって過ごすのか。役者さんリスペクトが深まるWSからリーディング公演の期間でした。そして、波田野作品の魅力を考える有意義な上演でした。

ご意見ご感想をいただいた皆様。スタッフワークを担ってくださった皆様。共演者・ご協力者のみなさま、改めてありがとうございました。

 

以下、掲載時の情報。

外部出演します

4年ぶりに外部出演で舞台に立ちます。劇団820製作所さんのワークショップで観察してきたものをみなさんと共有できればと思います。

そもそも、なんで820製作所さんのところへ?

波田野淳紘劇団820製作所)さんの過去作品もいくつか観劇しているのですが、直接のきっかけは、映像制作でお手伝いしたtheater 045 syndicateさんの「かながわネクストvol.1『フェアウェル、ミスター・チャーリー』。その時に波田野さんと長めにお話することができ、戯曲とともに、ご本人にも不思議な魅力があるな、と。

その魅力が戯曲の言葉に転換され、劇に昇華されていく創作過程を見てみたかったことから、ワークショップの参加を申し出ました。

5回のワークショップに参加して「本への解像度」を高める

820製作所ワークショップは5月から開催されました。その目的は、8月の本公演を共に創っていく「共犯者」を探すことです。

毎回WSの日に戯曲が更新・追加されていきました。連載を読むような気持ちで、ワークショップが本当に楽しかったですね。また、さまざまな役者さんが参加されていて、配役を変えて様々な読み方、解釈で演じられるのを見ることができました。この本には何が書いてあるのか?を役者の体と声を通じて探る時間になり、本への解像度が高くなりました。

波田野作品の仮説

今回の作品は発展途上であり、戯曲が最後まで書かれていません。そういう条件ですが、観察した結果、わたしが思う波田野作品の魅力を、3つのポイントとして抽出しました。みなさんや波田野さん本人にとって同じかはわかりませんので、仮説、とします。

台詞

会話の間に散りばめられた一人語りが魅力のひとつ。思っていることを躊躇いなく、そのまま口に出してしまう時、人は、詩人になってしまうのかもしれません。普段自分では使わない言葉を現代のリアルと綱引きしながら選び取ってくるセンスが面白い。役者としては口と頭に心地よい刺激を与えてくれます。

状況

本作では、17歳の学校内外での場面が描かれています。会話の中から水面下あるいはその背景で、大小含め、何事かが起こっている気配を感じます。想像を掻き立てるサブテキスト(文脈・背景)の仕込み方が良く、物語の含みが豊かであるということです。あとからジワジワくる、といった評価は、一見すると、なんでもない状況であっても、裏に見え隠れするサブテキストが起因しているのではないでしょうか。

過程

波田野さんは過程を重視していると思いました。
劇団820製作所のキャッチフレーズは「本当はそこにあるおとぎ話」を掲げています。

生活と人、人と世界のあいだに横たわる詩を、わたしたちの背後に作動するものがたりを、作品化することを試みています。 http://820-haniwa.com/about.html

チラシには、

社会的事象から個人のひそやかな祈りまで、目に見えない場所に生起する感情や物語を丁寧にすくいあげる。

と書いてあります。一刀両断で結末を区切らず、丁寧に物語の流れを見極めようとしています。わかりやすい結末よりも、その先のまた別の結末を。移り変わりの激しい世界の行方を、現在進行の過程を丁寧に観察して、見出そうとしています。

それはリアルタイムで進行する演劇そのものですし、まさにこのワークインプログレス公演「なぜけもののわかさはにがいのか」でも発見することができるかもしれません。

よかった、うまく繋げた。

公演概要

最新情報はこちらから(http://820-haniwa.com/news.html)
劇団820製作所ワークインプログレス公演「なぜけものわかさはにがいのか」

タイトル

劇団820製作所『なぜけもののわかさはにがいのか』
初稿・第一幕 リーディング+ブラッシュアップのための作戦会議
作・演出|波田野淳紘

日時

2022年6月26日(日)17:00開演
※受付開始・開場は開演の20分前です。
※小さな会場です。お時間に余裕をもってお越しください。

会場

ギャラリー&スペース弥平
〒222-0021 横浜市港北区篠原北1-5-5
☆東急東横線またはJR横浜線「菊名駅」下車 西口より登り坂 徒歩6分

横浜市港北区の住宅街にある小さなレンタルスペースです 画・美術展 グループ展 小音楽会 発表会 ワークショップ 勉強会 パーティ などなど 楽…
galleryspaceyahei.com

チケット

一般1,500円(戯曲初稿・第一幕つき)
ご予約はこちら⇒https://shibai-engine.net/prism/pc/webform.php?d=tr9c9zx6
[MAIL]info@820-haniwa.com
⇒メールでのご予約の際は、件名を「チケット予約」とし、(1)氏名、(2)ご連絡先(電話番号、ご住所)をご明記ください。

ブラッシュアップのための作戦会議について

ゲスト
川村 毅(劇作家・演出家、ティーファクトリー主宰)

リーディングの上演後、川村 毅氏をお迎えし、戯曲のブラッシュアップを目指して簡単な意見交換会を行います。お客様に無理に発言をお願いすることはございません。お話を聞いていただくだけでも力になります。ぜひ、新しい戯曲を生みだす「共犯者」となっていただけたら幸いです。

出演

朝廣 亮二
粟田 崇
植村 悠人
江花 実里(架空畳
河北 琴音
城戸 啓佑
こんの かつゆき(劇団コピュラ)
馬場 玲乃(劇団山の手事情社
真宮 立佳
丸尾 聡

音響|齋藤 瑠美子

Other Members|加藤 好昭、亀尾 建史、千葉 恵佑、御法川 わちこ

協力|T Factory、オフィスプロジェクトM、シバイエンジン

主催|劇団820製作所

Note

この劇に登場する人物は、全員が17歳です。
彼らは時に笑い、嘆き、肩を組み、すれ違い、恫喝や扇動と直面し、悪意に触れ、議論し、迷い、息のしやすい場所を求めて駆けだしていきます。

この社会に生きるわたしたちと同じように、この手で「世界は変わり得る」かどうかの確信は、彼らにもありません。
でも、17歳は駆けだす生き物です。どんなにぶざまにすっ転んだとしても。

教室の劇を上演します。わたしたちの未来を、よりよいものへと成形していくために、17歳の心をもって。

新型コロナウイルス感染症対策

・ご観劇の際は、常時マスクの着用をお願いいたします。
・会場入口において、検温、手指の消にご協力ください。37.5℃以上の発熱のある場合は、ご入場いただけませんのでご了承ください。

◎その他、感染症対策の詳細につきましては【コチラ】をご覧ください。

 

キャストご紹介(わたくし的コメント)

  • 朝廣亮二さん
    「フェアウェル〜」で拝見しました。飄々とした刑事を硬軟織り交ぜ、サービス精神旺盛に演じていらっしゃいました。今回の稽古場では、本に書かれていることを丁寧に掬い取る姿勢を拝見しています。職人の仕事を目の当たりにしているような、フォトジェニックなのも相まって、渋くてカッコいいんです。
  • 粟田崇さん
    「フリーの役者、声優。音響見習い。効果音マニア」とのこと。文字そのものが映像として浮かびそうな、明瞭度が高い、爽やかなお声です。
  • 植村悠人さん
    ワークショップで目を引きました。存在感があり、彼が出ると何かが起こりそうな、そんな予感や期待を抱かせてくれます。声量、熱量、ビンビンに感じます。
  • 江花実里さん
    明日のハナコ」の配信を見て、そのあと820製作所の短編集をリアルで拝見しました。体幹がいいんでしょうか、どんな体勢でもシルエットが美しい。複数役の演じ分け時に、まとう空気がちゃんと変わって見える。ワークショップでご一緒した時、相手に引っ張られ芝居が変化する感覚を味わえて以来、先生とお呼びしています。
  • 河北琴音さん
    「フェアウェル〜」では、先に映像制作時に、音声なしの演技を拝見していました。凛とした表情が良くて、編集が楽しかったのを覚えています。舞台でもその真摯な姿勢、叫びながら歌うシーンの必死さが胸を打ちました。そして、ドンブラザーズの天女さん。映像方面でもご活躍。
  • 城戸啓佑さん
    初演の「フェアウェル〜」ではスキンヘッドで強面のお父さんを迫力満点に、短編集では悲哀を背負う男と、シリアスな役ばかり見てきたので、ワークショップでの爆笑をさらう演技に、あらためて役者さんは色々な面を見てみたいな、と思わせてくれます。
  • 馬場玲乃さん
    短編集の出演を拝見していました。座っていたら影を潜め、アクティングスペースに出れば耳目を集める。気配を自在に操り、芝居の強弱が迅速。キャラが立っているとある役に配役されておりました。お楽しみください。
  • 真宮立佳さん
    姐さんと呼びたくなる、気風の良いお声と佇まい。「フェアウェル〜」では、女優帽を被ってミステリアスな登場、しっかり間をとったあとの「ケレン味」溢るる台詞回しが大好きです。今回のリーディングでも真宮さんの魅力を是非ご堪能いただきたい。
  • 丸尾聡さん
    劇作家・演出家・俳優。神奈川から演劇を発信する大先輩です。戯曲講座の受講生としてお世話になりました。明日のハナコをいち早く取り入れ上演するなど、ご活躍をいつも拝見しております。