コント『スイートフルーツ』 by こんゆか
登場人物:果物がほしい主婦 やまぐちゆかこ
     風俗店の店員 こんの
場所設定:高級くだもの屋

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店員「はい!いらっしゃい、いらっしゃい。新鮮ピチピチのフルーツがいますよ」

主婦「あの、申し訳ございません。ここ、“スイートフルーツ”って書かれてるんですけど、フルーツを売ってらっしゃるんですか?」

店員「はい、売ってますよ」

主婦「探しに探したんですよ。申し訳ないんですが、バナナございますでしょうか?」

店員「いや、うちバナナちゃんはいませんね。」

主婦「あら、バナナがない…。そうですか。それでは申し訳ないんですが、いちごはございますでしょうか?」

店員「あ、いちごいますよ。ストロベリーちゃんね。ストロベリーちゃん、いる。」

主婦「良かったわ。いちご、申し訳ないんですけど、箱詰めにしていただいて、売っていただくことはできませんでしょうか?」

店員「いやあ、ストロベリーちゃんを詰めて…どういうプレイですか?」

主婦「まあ、できないんですか?」

店員「いや、できないっす。それはやってないんだよ。」

主婦「ああ、そうなんですか…。おいくつなら売っていただけるんでしょうか?」

店員「え? なに?」

主婦「おいくつなら売っていただける?」

店員「おいくつ? あ、ひとりです」

主婦「ひとつしかない…まあ、高級店だわ。いいわね。ではまず、いちごひとつと、それから…何がいいかしら?」

店員「ええと、ふたり、ふたり、ひとつ…ですよね? いや、ひとり、ひとりしかいないですけど。」

主婦「まあ、本当に高級店ですわね…。それでは他に、どんな果物があるのかしら。桃なんかありますか?」

店員「ピーチちゃん、いますよ。」

主婦「まあ良かった。桃、うちの人、大好きなんですのよ。」

店員「旦那さんも…お好きですね。」

主婦「桃、二ついただけますか?」

店員「いや、ピーチちゃんはひとりしかいない。」

主婦「まあ、ひとつしかない…。高級店ですわ。それでは他に…あ、りんごがありますわね。りんごはどうですか?」

店員「あ、アップルちゃんだったらいますよ。アップルちゃん。」

主婦「まあ、わたくし、アップルパイ作るのがとっても得意なんです。主人も好きでね。それでは、りんご五ついただけますか?」

店員「あ、いや、だからね奥さん。ひとりしかいないんですよ。」

主婦「まあ、ひとつしか売ってない高級店ですからね。」

店員「いや、この辺ではリーズナブルだと思いますけどね。」

主婦「二つ三つ…そうですね…。では、ぶどうもいただけないでしょうか?」

店員「あ、マスカットちゃん。マスカットちゃんですか? いますよ。」

主婦「ああ、よかった。たくさんください。」

店員「だから、ひとりしかいないんです、マスカットちゃんは」

主婦「まあ、ひとつしか売ってない高級店ですわ。素晴らしい。」

 主婦、喉を押さえて。

店員「どうしました?」

主婦「喉が渇いてきました。申し訳ないんですが、オレンジをジュースにしていただけますでしょうか?」

店員「オレンジちゃんはジュースにはできません。そんな残酷なことはできませんから。」

主婦「ああ、ジュースできない…。できない、できない…。あの、味見とかさせていただき…」

店員「あのね、このお店は味見とかやってないんですよ。」

主婦「え、あの、ちょっとカットしてもらうだけでいいんで。」

店員「いや、そんな残酷なことなんですよ! え? もしかして奥さん、“果物屋さん”だと思ってます?」

主婦「はい。もう果物屋を探してたんでございます。」

店員「あのね、うち、風俗店なの。」

主婦「まあ、“風俗”というフルーツがございますので、それもひとついただけますか?」

店員「帰ってください」

おわり