コント「7月7日、繁華街にて」

コント「7月7日、繁華街にて」

2012-07-07

「…おい、そこの駐車場見てみろ」

「うわ牛っ!牛車か?どこの公家がとめてんだろう」

「駐車場の隣にはいかがわしいホテル」

「七夕に牛車でラブホて。彦星織姫プレーか」

「お前、短冊持ってるか?」

「持ってないよ。オマエ、短冊で何すんだよ」

「決まってるだろ、直接渡すんだ」

「誰に?」

「わかんない奴だな。この牛の持ち主に!彦星さんと織姫さんに!」

「落ち着け、彦星と織姫はこんなところで会わないって」

「お前、夢見過ぎ。恋人なんだから、そりゃラブホくらい来るだろ。もっと現実を見ろよ!」

「オマエだ!」

「なぁ、さっきコンビニのレシートちょうだい」

「何に使うんだよ」

「短冊のかわりにする」

「失礼だろ!仮にこのホテルにいるのが本物だとしたら失礼だろ!」

「どうしても叶えたい願いがあるんだ!」

「書いたらどうすんだよ。ラブホから出てくるまで待つのか?」

「いや、それはお前、さすがに出て来た直後に渡すのは失礼だろ。牛に貼り付けとくよ」

「それじゃ駐禁の紙みたいだぞ」

「ごちゃごちゃうるせぇなぁ。早くしないと出てきちゃうだろ」

「わかったよ、もう好きにしろよ。ホラ」

「(レシートを受け取り)もっと長めのない?」

「いいだろそれで!どんだけ書く気なんだよ。願いごとはシンプルなのにしとけよ」

「七夕デートしてくれる彼女ができますように、俺たちに」

「ありがとう…」

おわり