観劇感想「ベイサイド実験室 第2時限目」-ネオゼネレイター・プロジェクト-2018年12月21日

観劇感想「ベイサイド実験室 第2時限目」-ネオゼネレイター・プロジェクト-2018年12月21日

2018-12-25

何回か見学にも行かせてもらったネオゼネレイター・プロジェクトの実験室公演。

こんな趣向だった

演劇原点回帰大作戦では古典をたくさん読んでらして、そのいくつかの中から3本をピックアップしていた。チェーホフの九州弁版と、他2作。入り口で飲み物が振る舞われ、いつもの劇サロ会場・横浜ベイサイドスタジオにはたくさんの観客で埋められていた。わたしは最後方の席、脚が長く高い席だったので、しっかりと舞台を見ることができた。

良かったところ

いつも飲み食いしている会場である横浜ベイサイドが、巨大な白布だけで格調高い劇場に変わるとは、演出家・大西一郎の空間演出力恐るべしであります。お話に関しては、見学していて、内容はあらかた分かっていたけれど、本番では一枚も二枚も皮が向けて変わり、演劇的創造力に溢れた座組のみなさんの共同作業の成果に感激。

おのまさし、大窪みこえ、小金井敏邦の三人は、チェーホフの「結婚申込」を熊本弁で演じる。標準語版の読みには立ち会っていたが、熊本弁バージョンを会場で聞いたときには、外国語でやっているのかと一瞬勘違いしてしまった。作品の中の舌戦を、巧みに盛り上げる役者陣の熱量高い掛け合いに思わず頬がゆるくなり笑顔になる。

猪股俊明、松岡洋子の二人のベテラン役者による不条理劇では、プロの役者とは他に代えられぬ個性を持つことも大事な素質なのだと実感した。飄々とした風貌ながらも、次第に困惑やいらだちを展開に応じて演じて分ける猪股俊明。松岡洋子は、かわいらしい少女でいたいアピールを装いつつも、大人の女性が内に秘め抱えるシリアスな孤独とプライドがにじみ出ており、笑いのあとの物悲しさを誘う。

最後の朗読劇は初見で新鮮だった。あきらかに定年を迎えそうな役者が「20代である」と発する潔さにも爆笑。

気になったところ

客席の話。足の長い椅子に座ると、足がブラブラしてしまうので、半立の体勢になった方が楽であった。

作品紹介

http://www.wahahahompo.co.jp/stage/kyakuen/mikoe/181221_bayside/index.html
https://stage.corich.jp/stage/97057