2019年8月22日、横浜市の林文子市長が、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致方針を正式に表明しました。いわゆる横浜にギャンブルができる場所を作るということです。
個人的な意見を表明しておくと、IR誘致に反対はしません。消極的賛成です。
何故なら、財政緊縮よりも収入を増やすための投資なら良いのではないか、と理解しています。
さて、このポストでは「カジノを誘致するお金があるなら学校給食の無償化が先だ」という意見について勉強したいと思います。子供は国の未来、子供の貧困が問題になっているため、たしかに学校給食の無償化は、民意のひとつであるとも思いますが、その財源をどうするのか?がすぐに思いつきます。
また、IR反対派としては、治安が悪くなることが真っ先に挙げられています。
ギャンブルはやりませんが、黄金町の場外馬券場や、川崎の競馬場へ行くと、まぁたしかにお上品とはいえない雰囲気がありますので、IRの側に住むことになるかもしれない方々にとっては不安しかないでしょう。
ここで、はたと思うのですが「給食とカジノ」なんでこの二つが対立構造になっているように仕向けられているのでしょうか。果たして、民意として学校給食が一番優先度が高いのでしょうか?子供を持つ親ではないので、そのあたりのリアルな要望がわかりません。中小企業への優遇措置によって雇用者の給与を上げ、子供を持つ世帯が学校給食費を支払えるようにした方が良いのではないかとも思ったのですが、市内に勤める人は横浜市の人口に対して少ないため、地方自治体が管轄できる学校給食費にまでフォーカスしたのでしょうね。
と、色々推測レベルなので調べなければいけないのは、
・IRの狙いと、必要予算と、その財源
・学校給食の狙いと、必要予算と、その財源
です。
その二つを比較して、どちらがより現状や未来を見据えて妥当な使い道かを探り、理解を深めていきたいと思います。
こんな話があります。
「街の未来を決める時、60歳以上は話し合いに出すな。彼らは数十年後にはいない。
50歳以上は話し合いに出てもいいが意見は言うな。彼らは数十年後には何もできない。」
これは街の未来を決める話です。政治家や市長、市議会議員の年齢も考慮したほうが良いですね。
IR誘致の狙い
観光地の山下公園に隣接する横浜港の山下ふ頭を整備し、2020年代後半の開業を目指す。
誘致は地域経済の活性化と市の財政改善が狙い。市はIR開業後、区域への訪問者数は年約2000万~4000万人、経済効果は年約6300億~1兆円に上ると見込む。固定資産税など市の増収効果は年約820億~1200億円としている。
横浜市は港町ながら、他の自治体と比べて宿泊客が少ないため、将来に危機感がある。とのことです。特に近くには東京、同じ県内には小田原・箱根などの温泉街もあるため、観光はするが泊まりはしない、というのもうなずけます。IRなら泊まるのか?というのは、正直わかりませんが。
IR誘致の必要予算
来月始まる市議会に、誘致に関連するおよそ2億6000万円の補正予算案を提出し、2020年代後半の開業を目指す考えを明らかにしました。
2億6000万円ということです。オリンピックもそうですが、はじめの既算から膨らむのが通常と考えて間違いないと思います。が、いくら膨らむのかは、まだわかりません。とにかく最低でも3億くらいで覚えておきましょう。
IR誘致の財源
ぱっと調べたところ、これを財源にする、というのは出てきませんでした。約3億ですから、横浜市の税制からすると、何かをガッツリ削らないと出せないはずです。何が犠牲になるでしょうか。
IR誘致反対派の意見
1)ギャンブル依存症
2)治安の悪化
3)IRができても対して外貨は増えない。(韓国のカジノを例に出す)
上の1番目に対しては、パチンコや競馬競艇スマホのガチャゲーにも言えますね。
2番目に対しては、川崎の競馬場、黄金町の場外馬券場が良い例でしょうか?わたし的には、そこまで悪く見えないのですが。総合リゾート施設と銘打っているので、むしろそうならないよう徹底したクリーン作戦が行われ、警備会社や清掃業者などの間接業者の雇用が増える気がします。
3番目が一番のウィークポイントだと思いました。税収を増やすために誘致したのに、増えないんだったら意味がない。あちこちに作って使われていない箱物が日本にはたくさんあります。そうならなければいいんですが…。
正直、1と2は反対意見として弱いと思います。反対するならそこも併せてやらないと、いくらで逃げ道があるんですよね。だから反対派は、3番を強く推すべきではないでしょうか。狙いが外れるわけですから。
興味深いのは、カジノで上げられる収益は、別の方法でも上げられると仰っている市議会議員の方がいます。その案なら民意にも沿うのあれば、合理的に考えてそっちでしょう。
何故、IR誘致なのか
ここに例の林市長が資料を投げた映像の真意が隠れているのではないか?
林市長は「IR誘致は白紙」と宣言して市長に再選されました。しかしここに来て誘致方針を宣言したのでは市民の投票結果はなんだったのか?という話になります。他の立候補者に魅力がなかった可能性もありますし、そもそも選挙時に進んで賛成している市長候補や、市議会議員候補はほぼいなかったのです。
政治家は民意はしっかりわかっています。民意がわかっているからこそ、受け入れられやすい言葉で選挙活動をするのですね(だから選挙時には隠すのですが)。
といった枕を持ってきましたが、その逆で恐らく、市長の思惑は反対寄りだったのでしょう。しかし誘致を推進したい支持団体や、上位政界からの圧力がなかったわけではない、と思います。このまま白紙を貫けば賞賛されたはずなのに、それができなかった。何故なら、市政を繰り広げるには財政問題がありました。その財政問題と、市長および関係者の思惑が錯綜し、とうとうその圧力によって方針を宣言せねばならない事態となったのではないかと。
市長が誘致しないと決めて貫き通すのと、やはり誘致すると撤回するのと、どっちが市長にとってやり良いか、という点で考えます。個人の意思だけなら、しないと決めて貫き通せば良いのです。それができなかったとなると、個人の意思だけではどうしようもない圧力があったとしか考えられません。白紙にすることで、誰かに命を狙われるでしょうか?日本でそれはないと思います。白紙は維持できた。市議会議員たちも反対派が多数だった。それなのに、ということは、財政問題と、上位政界、支持団体からの圧力が思い浮かぶのです。
では、もう一方の可能性、もともと賛成派で、それを隠していたとします。撤回したら明らかに非難されるのはわかっています。それならば非難されることを想定して、最後まで念入りに仕込むはずです。なのに映像では書類を投げたところが写っていました。ミス、油断という線も考えられますね。
まぁ、どちらにせよ、市長が磨りガラスのことまで気がまわらずに書類を投げた。その公人として態度で株を下げたことに変わりありませんね…。
学校給食の狙い
書き掛け・・・。