「お嬢さん、落ちましたよ」
「あら、ありがとうございます…何が落ちたのかしら?」
「僕が恋に」
私の頭の中にイタリア人がいる。
「すいません、西口ってどちらですか?」
「この通路抜けて右です」
「あ、あぁ逆か!あ、ありがとうございます」
消え、しばらくして。
「すいません、道をお尋ねしたいんですが…」
「また?」
「あの、さっき、親切で魅力的な方に道を尋ねたんですが、見とれちゃってて、よく聞いてませんでした」
私の頭の中にイタリア人がいる。
「あれ?あ、お元気ですか?」
「?(誰だっけ?)」
「俺だよ、ほら、この先のスタバで一緒に…」
「えーと、どちら様でしたっけ?」
「これからコーヒーを飲む相手!」
私の頭の中にイタリア人がいる。