役者が演じる時、その役柄にそった役割を演じることになるのだが、アバター役者とペルソナ役者に分かれるように思える。
アバターとは、化身。
ペルソナとは、仮面。
とする。
アバター役者とは、役を自分に寄せる。
ペルソナ役者とは、自分を役に寄せる。
とする。
アバター役者は役を利用して自分そのものの発露を行う、その対に、ペルソナ役者は自分に仮面を被せて役柄に成り切ろうとする。
ロバート・デニーロのデニーロアプローチは、ペルソナ型で、役柄そのものの状態に自分を持ち込んで改造を行う。スタニスラフスキーシステムの流れ。
アバター役者は、そうしたことよりも役者が持つ素質、過度に演技を取り繕わなくても、本人がそこにいた時にどうなるかをリアルに行うため、台本に書かれたセリフやアクションを行う際に、物語の整合性や一貫性が失われやすい。が、役者本人はそこに居続けることが可能なため、側から見れば、成立して見える。
どちらかの傾向に偏っている場合と、間にたっている場合があり、また、役者が持っている肉体と声と思考は、まぎれもなくその役者のものであることから演じることはアバター化しやすいがため、ペルソナ化するためには専門の訓練を必要とする。
器用と言われる役者は、アバターとペルソナを縦横無尽に行き来し、その作品にふさわしいムード、あるいは文脈を備えて舞台に立つことができる。
とする。