走馬灯。回り灯籠に同じ。
枠を二重にし,回転するようにした灯籠。さまざまな物の形を切り抜いて内枠に取り付け,ろうそくの熱による上昇気流で内枠が回転すると影が外枠の紙や布に回りながら映る。 (大辞林より)
死の直前に今までの思い出が走馬灯のように蘇る、などと比喩される。
ジメジメとした気候と、掃除をサボったせいもあってか、風呂場にカビを見つけてしまった。
早速、カビ取り剤を風呂場に撒いて30分放置した。すると風呂場全体が塩素独特の匂いになり、小学校時代のプールの思い出が蘇ってきた。
名前の書かれた白の水泳帽に、紺色の水着を着たクラスメート達。
ビート板の上に立とうとする奴。
プールサイドで走って転倒、大出血をする奴。
プールの中でションベンをする奴。
元気そうな女子が見学をしている理由がわからなかったあの頃。
カビ取り剤を水で洗い流しながらプールの思い出に浸っていると、だんだん気持ちが悪くなってきた。
完全に塩素の匂いにやられている。
換気している事に油断してカビ取り剤を大量に撒き過ぎた。
死ぬかと思った。
死ぬかと思った直前に、プールの思い出が走馬灯のように蘇ったので、私はこれをプチ走馬灯体験と呼んでいる。