目次
基本情報(チラシより)
劇団「無題」とは
『楽しく・ゆかいに・一生懸命』をモットーに湘南台、横浜付近で活動しています。公演の他に、YouTube に映像作品なども公開中!
Twitter:https://twitter.com/gekidanmudai
出演者
小林
マリー
穂村一彦
ぱこ(劇団ぺりどっと)
悠希
樋口
いけち。
琢磨
https://gekidan6mudai1.amebaownd.com/pages/4819694/page_201603151456
作
穂村一彦
あらすじ
今日は彼女のご両親へ初めてのご挨拶。しかし直前に彼女から衝撃の事実が!「うちの家系は代々超能力者で、結婚相手も超能力者って決められてるの!」結婚の許可をとるために超能力者のふりをするしかない!?ドタバタファミリーコメディ!
【第19回かながわ演劇博覧会】
3月12日(土)
■劇団「無題」#TAK #神奈川県演劇連盟 #えんぱく #かながわ演劇博覧会 pic.twitter.com/U7zAdZu6KC— オッスたかのり@劇団かに座 (@ossu_takanori) March 12, 2022
ネタバレ含む感想
コメディの尻尾をつかんでいる
穂村ワールドが完成したのではないか、とも言えるくらい、安心して笑えるトーンを作り出されています。笑いどころがちゃんとハマるっていうのは、舞台に立っていたらもうそれは快感だろうな、というくらい、客席にいても楽しい気分になりますね。
笑えるか笑えないかは、劇場のあの空間の雰囲気もあります。客がガードを下げやすい空気が醸成されていました。事前の宣伝と設定の成果ではないでしょうか。しっかりとコメディであることをうたい、婚約者のご両親に会いにいく定番シチュエーション。それに加え、「もしも相手の家が超能力者だったら?」と意外性を組み込んで、どうなるのかな、こうなるのかな、といった観客の期待に応え、予想を上手に裏切る仕組みが脚本に散りばめられていました。
観客が先行作品から受けたであろう感情や感覚を、文脈としてここまでは持っているだろう、というアンテナの貼り具合が絶妙。理屈ではなく作家のセンスです。
全員が共通理解を持っている
出演者のみなさん全員が、それぞれ個性的なキャラクターに乗っかり、のびのびと演じていました。キャラクターとしてどうあるべきか、作品に対する共通理解がなされているように見受けられました。それが、濁りない穂村コメディワールドを体現しています。
作品に理解がある役者が全員でその役割を全うする、舞台においての理想の一つだと言えます。ちなみに無題さん、特に演出家は立てず、みんなで作るみたいです。そのため全員が演出家目線を持って舞台に立っているのかもしれません。あ〜、だからか。だって自分からそうしようと思わないと、2m吹っ飛ばされるときに背中から落ちませんもの(小林さん、その後、大丈夫だったでしょうか)。
女性陣はおおらかでキュート。男性陣は悪ぶったり威厳を出してもどこか憎めない愛される人柄に立ち上がっていました。そういった好感要素が、安心して楽しめるコメディ作品になっていました。
「楽しく・ゆかいに・一生懸命」は、パフォーマンスを高める
ここ数年、自律型人材というワードを見聞きします。言われたとおりにやるだけでは、これからの時代、上手くいかないらしいです。「”指示待ち人間になるな”と言われても、やり方がわからないのにどうすんだよ」といった場合は置いといて、自分で考え、自発的に行動できる人が、さまざまな場面で求められています。
でも、自律型人材って、結局のところ自分にメリットがなければ動かないと思います。デメリットやリスクしかない場では能力は発揮できません。
そういう意味で、無題さんのモットー「楽しく・ゆかいに・一生懸命」は素晴らしい。モットーが生かされたパフォーマンスの高い舞台だったと思います。素敵です。
次の舞台
劇団「無題」さんは、3月の演劇博覧会と、夏の単独公演の2回をベースに活動されているようです。ということで、次回は7〜8月あたりに開催されるのではないでしょうか。サイトとTwitterをチェックください。また、ラジオやYoutubeの公開や、穂村さんは脚本を提供しています。
ネタをたくさんお持ちです。
Twitter: https://twitter.com/gekidanmudai
サイト: https://www.mmtpantomime.com/